香月院深励 『興御書講義』

香月院深励師の『興御書』についての講本

製本発注4,300円興御書講義300頁
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『興御書講義』について

国立国会図書館デジタルコレクションでは「興御書講義」にてヒットします (こちら)。和本では3冊本ですが製本化する際にまとめて1冊にしました。全部で300頁キッチリ。カバー付製本ができるギリギリの頁数量です。この講本は『真宗体系』や『続真宗体系』等には収録されていません。この和本でしか読めない貴重な深励師の講義となっています。

『興御書』とは

そもそも『興御書』をご存知でしょうか。私は知りませんでした。本願寺派では認められていません。「おこりのごしょ」と読むようです。金戒光明寺に蔵されている伝法然聖人と伝えられる書です。検索をすするとWEB版新編浄土宗大辞典に説明がでてきます (こちら)。偽書の疑いがあって、妙音院了祥師は『興御書批評』にて偽書と断定されているようです。是非こちらも製本化したいと思っています (製本化しました)。

香月院深励師は『興御書講義』の最初に「一者弁真偽」と設けてそこで論じています。偽物と断定してしまっては講義にならないし、初代講師の恵空師は真作として扱ったと見える事なども考慮して「真偽未決の書」として講義をしているようです。

真偽未決でも講義をする上では真本であるとの見解で講義をされているのが面白いです。いまでは文献学的に真偽を定めてから中味を確認するのが当たり前となっていますが、深励師は内容の方から真偽を確かめれば良いというスタンスなのかなと感じました。確かに仏説かどうかも中国で編纂されたのは偽経でも中央アジア辺りまでだとそうはならずに中味が佛意に順じているかどうかでの判断になるのと同じなのかもと感じました。

他方で深励師の弟子の了祥師は『興御書批判』にてこの『興御書』は名越流の作成した偽書であると断定されています。この両者の違いは面白いです。

今回製本化したてなものでまだまだ私も読んでいる途中です。深励師がどのように講義をされているのか興味津々です。

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