香月院深励師の白骨章の『御文』についての法話
製本発注 | 1,700円 | 白骨御文法話 | 60頁 |
『白骨御文法話』について
国立国会図書館 (NDL) デジタルコレクションでは「白骨御文法話」にてヒットします (こちら)。デジタルコレクションには本としては3つのモノが登録されているようです。護法館から上下巻で木版の和綴じ本がひとつ。同じく護法館から「真宗講師法話全集 第3編」として、こちらは活字での1冊本となっています。そして沢田文栄堂からも上下巻で木版の和綴じ本。それらの中で今回は護法館の活字本を製本化しました。活字本だと1頁あたりの文字数が多く入るので全体的にページ数が少なくなるからです。60頁の小編となっています。ちなみにこの法話は『真宗体系』や『続真宗体系』等には収録されていません。
「白骨章」について
こちらは蓮如上人のお手紙『御文章』 (『御文』) の中では有名なものだと思います。真宗のお葬儀では還骨の時にこの御文章を読むのが習わしになっています。特に「朝(アシタ)には紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり」とあるところは世の無常をつよくあらわしていて還骨時の拝読にぴったりです。特に蓮如上人がタイトルをつけたわけでは無いのですが古来この御文章を「白骨の御文章」「白骨の御文」と言っていたと思います。日付がないので第五帖 の第16通めに収められています。
最近は還骨時に僧侶がお付き合いしないところも多く、火葬場に行って釜入れまでだったりします。そのためか葬儀の中で繰り上げ初七日にて拝読されることもあり、また更に繰り上げて通夜にて拝読されることもあるようです。その「白骨章」について深励師がご法話をされたのがこの本です。
「それ人間の浮生なる相をつらつら観ずるに~」で始まる名文ですが、途中で「~といへり。」とあります。現代語訳すると「~と言われています。」なので実はソコまでは蓮如さんの言葉ではなく引用だということになります。では何が引用されているのかといえば後鳥羽上皇の『無常講式』だということです。これは『存覚法語』に元があります。蓮如上人はこの『存覚法語』にある後鳥羽上皇の『無常講式』の文句を巧みに使って「白骨章」の御文を書かれたと云うことですね。