香月院深励師の六字釈についての講本
製本発注 | 2,200円 | 言南無者講義 | 96頁 |
『言南無者講義』について
国立国会図書館デジタルコレクションでは「言南無者講義」にてヒットします (こちら)。和本の丁数的には全部で46丁ですが一丁あたりの字数が少ないので結構あっさり読めるのではないかと思います。
この本『真宗体系』や『続真宗体系』にはこれを活字化したものは無いのですが似たような講本が『続真宗体系』12巻に収載されています (こちら)。
『言南無者講義』と『言南無者随聞記』2つの本の内容は非常に似ているのですが元になった講義が同じなのかどうか、少なくとも筆記者は違うようです。『続真宗体系』12巻 解題の処に「 (『言南無者随聞記』は) 寛永六年、師四十六歳の時に高倉学寮にて講弁」とあります。内容量としては『言南無者随聞記』の方は文字がピッチリ詰まった洋書で30頁ほどの分量です。片や和本で文字スカスカの46丁‥どうでしょうか。話の進め方が若干違うので別の処での講録の可能性があると思います。
深励師は全国で講義をされていたといいますし、毎回場所が変わってその都度違う講義をされていたとは考えづらい。むしろ同じ年には同じ講題にて似たような講義を全国を周ってされていた可能性があると思われます。ならば高倉学寮で行った講義を地方でも行ってそこで聴聞された方が講録を作られた、その写本を元にして出版されたのかも。内容は深励師の言われることで一緒なのでこれは是非両方とも読まれることでより理解が深まるのではないでしょうか。
「言南無者」とは
ここでの「言南無者」とは「言南無者即是帰命。亦是発願廻向之義。言阿弥陀仏者即是其行、以斯義故必得往生」で善導大師の『観経疏』「玄義分」の六字釈の冒頭にある「言南無者」のことです。宗学上非常に大切なこの六字釈について善導大師、宗祖 (親鸞聖人)、中祖 (蓮如上人) のそれぞれがどのように示されているかを講義されています。
和本の古書について
この和本は古書としても比較的出回っているほうで割と安価で入手できます。古本屋のポータルサイト「日本の古本屋」で5,000円~6,000円程度 (こちら)。ヤフオクでは3,000円程度で取引されていました (こちら)。また『続真宗大系』12巻も、そこだけ単独で売られているかが要タイミングですが、もし出れば2,000円~3,000円だと思います (こちら)。しかも『続大系』には他の講録や著述も収録されています。原本が欲しい方は時々「日本の古本屋」など覗いてみてはいかがでしょうか。