香月院深励師による『愚禿鈔』の講録
『愚禿鈔講義』上中下 について
国立国会図書館デジタルコレクションでは「愚禿鈔講義 深励」にてヒットします (こちら)。今回この護法館のデータを整形して製本化しました。図書館収蔵の元本は1冊本のようですが内容的には和本で1巻~6巻とあります。今回こちらでまとめ直すときに1巻2巻をまとめて上巻とし、3巻4巻をまとめて中巻とし、5巻6巻をまとめて下巻として上中下の三分冊にしました。
元の本の表紙に『愚禿鈔講義 上』とついているのがちょっと謎です。表紙に付された図書館の情報に「3冊」とありますので護法館の和本も「上中下」の3分冊だったのかも知れません。それが合本されて1つの書籍となって保管されているのかも。
活字の和綴本
この本は活字の和綴じ本です。和本から洋本に、手書きの木版から活版に移行する途中にこういった形態の本もあったようです。この活字の和綴じ本ですが、中の活字があまり読みやすくはありません。字が小さくて潰れかけていて読みにくいのです。正直言って手書きの木版での出版本の方が文字が大きくて読みやすいとも感じます。いま古書で出回っている香月院深励師の和本の中には何点か活字で印刷された和本があります。この『愚禿鈔講義』はその中の一つです。
『愚禿鈔講義』について
この講本にて香月院深励師が講義をされているのは上下2巻で『愚禿鈔』上巻のみのようです。『愚禿鈔』下巻については講義をされたかどうか定かではありません。
途中の頁番号抜けについて
今回の製本化した本は、元の和本での第三巻32丁の次が34丁になっています (製本化された本では巻中)。これは元の国立国会図書館デジタルコレクションのデータがそうなっています (こちら)。一瞬焦るのですが内容は飛んでいません。そして34丁の右左の次にまた34丁になっています。これも内容は続いています。要するに頁番号の33丁を間違えて34丁と活字を置いてしまった事によるミスのようです。
デジタルコレクションのスキャンでは同じページを2回取っていることも時々あって、ウッカリそのままそのまま製本化すると頁が二重になってしまうこともあるので結構気をつかいます。