釋義貫 聞書 『おなつ蘇甦物語』

江戸時代に流行った真宗信者の極楽浄土体験記

製本発注1,610円おなつ蘇甦物語48頁
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『おなつ蘇甦物語』について

国立国会図書館デジタルコレクションでは「おなつ蘇甦物語」で検索をするとヒットします (こちら)。また「蘇甦物語」で検索すると同じ内容の別本2冊を加えた計3冊がヒットします (こちら)。今回は山内文華堂の『おなつ蘇甦物語』、それから藤井文政堂の『三国往生伝 : 附・於夏蘇甦物語』に附属で収録されている「於夏蘇甦物語」を加えて製本化しています。

『おなつ蘇甦物語』だけにせずに後ろに「於夏蘇甦物語」を加えた理由ですが、この山内文華堂版は変体仮名がふんだんに使われていてよく読めないからです。法蔵館の『但馬国福田村於夏蘇甦物語』は同じく手書きの木版和本ですがまだ読めます。藤井文政堂の本は活字印刷ですのでいちばん馴染みがあります。それでも私には読めない現在使われていない活字が何回も登場します。

著者は釋義貫。彼が聞書きしたという体裁になっています。このおなつ(於夏)の蘇甦の話はネットで調べると結構多くの検索結果がでてきます。その中にこの話は江戸時代~昭和初期まで人気で世間に広まっていたこと、大きく3つの系統があって少しずつ内容が違うともありました。

その内容ですが話自体は非常に短いものです。篤信のおなつ(於夏)が出産の時に亡くなっていったん極楽浄土へ往生してそれから蘇甦して娑婆に戻ってきて皆に浄土の樣子を語るという話です。活字の藤井文政堂版では僅か6頁程度の小篇です。しかしこれが手書木版の和本になると33頁くらいになります。

それにしても江戸時代の筆記体の書物は私には読めないです。内扉に書かれた「おなつ」が「かな川」に見えます。香月院深励師の法話本に『功徳大宝海』という和綴じの三冊本がありますがこれも筆記体での木版印刷でなかなか読めません。でも変体仮名の入った書物をスラスラ読める方も居られると思います。そのような方、また変体仮名入りの文章は読んだことがないけれどもご興味のある方は是非どうぞ。

後ろにつけておいた藤井文政堂の活字版と見比べて読めば山内文華堂版の仮名も読めるようになるのではないかと思っています。

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